耳介振動テクニックとは

「耳介振動テクニック」は、脳の炎症を抑制することを目的とした副作用のない自然療法です。
テクニックのベースになるのは、迷走神経刺激療法です。
迷走神経刺激療法とは、体内に埋め込んだ迷走神経刺激装置(VNS:Vagus Nerve Stimulation)で頚部の迷走神経を電気刺激する療法。
そして、「耳介振動テクニック」は、迷走神経刺激により『コリン作動性抗炎症経路』を活性化させるテクニックになります。方法は耳介への振動刺激です。
まずは、脳の炎症と『コリン作動性抗炎症経路』がどのように関連しているかを説明していきます。
脳の炎症とコリン作動性抗炎症経路
コリン作動性抗炎症経路(CAP:cholinergic anti-inflammatory pathway)は、神経系と免疫系が連携して体の炎症を制御するメカニズムです。この経路は、アセチルコリンが主要な神経伝達物質として働き、炎症性サイトカインの産生を抑制することで、炎症をやわらげます。
脳においてもこの神経回路は働きます。脳のミクログリアはアセチルコリン受容体を持っているので、神経細胞からのアセチルコリン放出を誘導することでコリン作動性神経回路が働き、脳の炎症が鎮静化していくという仕組みです。
迷走神経刺激療法では、VNS でアセチルコリン放出を誘導することで、迷走神経の炎症を抑制していきます。そして、脳の炎症も抑制していると考えられます。
経皮的耳介迷走神経刺激(taVNS)
迷走神経刺激療法は、医療現場において難治性てんかんやうつ病の治療法として承認され、各国で多くの臨床実績があります。しかし、外科手術で迷走神経刺装置(VNS)を埋め込まないといけないので、身体への負担が大きいのが難点です。
そこで開発されたのが経皮的耳介迷走神経刺激(taVNS:transcutaneous auricular VNS)。耳に分布している迷走神経耳介枝(耳介甲舟)を体外から電気刺激する治療法になります。手軽で安全性が高いのが特徴で、てんかん、うつ病、片頭痛、不眠症、耳鳴りなどへの効果が報告されています。
耳介振動テクニック
経皮的耳介迷走神経刺激(taVNS)は、迷走神経耳介枝(耳介甲舟)を電気刺激します。taVNS の製品が販売されていますが、最低でも10万円くらいします。
耳介振動テクニックでは、耳介甲舟に周波数 250Hz の振動を与えます。この方法は、手技で行ないます。つまり、手軽で安全性が高いだけでなく、安い。
そして、片頭痛への効果が期待されます。片頭痛は、何らかの引き金によって、三叉神経の異常な興奮と脳血管の拡張・炎症が連動して起こると考えられています。耳介振動テクニックは、脳の炎症を鎮静化するシステムです。
まとめ
迷走神経刺激療法(VNS)をベースとした耳介振動テクニックの概要を説明してきました。手軽で安全性が高く、セルフケアでも可能な療法です。