【FD症例】再発を繰り返す
40代男性で機能性ディスペプシアで来院したケースです。
9ヶ月前から胃の調子が良いのと悪いのを繰り返している。早期膨満感がある。食欲不振になるが、調子がよくなると全く平気になる。
目標は「普通に飲み会に行きたい」
初診で話を聞くところによると、整体に行くと良くなるが、次第に戻る。自力で治したいのだが、自分で触ってもよくならない。心配症なので原因を調べ続けていて、出来ることはなんでも試している。調べたところ"マッサージガン"がいいと知り、試したところコリが悪化した。早く満腹になるので焦って呑み込むように食べているので、よく噛んではいない、など。
アドバイスしたのは三つ。
❶「調べることを止める」こと。理由は脳バテするから。『脳バテ→自律神経が乱れる→胃の機能低下』と説明。
❷セルフケアは、やり過ぎて悪化させる危険性があることを話す。"マッサージガン"を使うのが悪いのではないが、刺激を与えているときは感覚が麻痺してやり過ぎてしまい、組織を壊してしまうケースが多い。薬も用法・容量を守らなければ毒になるように『過ぎたるは及ばざるがごとし』。コリが気になるのであれば、ホットパックなどで温めることを勧める。
❸よく噛んで食べること。
2回目の来院。少し良くなっているとのこと。元来、お酒に強く、量は多い傾向。
3回目の来院。調子は8~9割になる。食欲も戻る。調子が悪いときは飲酒を控えるが、調子がよくなると飲み過ぎてしまいFDが再発するというサイクルだったので、お酒の要因が強かったと思うようになった。そして、飲酒が自分にとってのストレス発散方法であったことも自覚した。
無茶なお酒の飲み方はしないことと、お酒以外でのストレス発散方法を見つけたほうがいいとアドバイス。
4回目の来院。仕事が始まったら調子が落ちた。今は40%くらい。
胃の調子のことを頭に浮かべないことが難しく、調べたくなってしまうそう。スマホを触らないなどの工夫をして頑張っているとのこと。
5回目の来院。調子いい。調べたくなるつらい期間が2~3日続いたが、その時期を越えたら正常モードになった(本当なんだと実感したそう)。成功体験を積み重ね中。お酒は途中でウーロン茶を飲んだりしている。
6回目の最終来院。調子いいのをキープできている。
「来院が3回目のときに、『もう大丈夫かな』と思っていたのだが、続けてよかった」「『調べないこと』を教えてもらったのが大きかった」「身体をおもんばかることができるようになった」
最後に、これらのことを話してくれました。
この男性は、症状を意識しすぎて焦ってしまい再発していたケースです。通院中に再発しましたが、意識から外すことで再発しなかったという経験を積めたことがよかったと思います。
また、症状が回復傾向になり食欲が戻ったときに、以前と同じペースで飲み食いしていたことも問題です。食欲不振がなくなっても、胃が通常モードに回復するには時間の経過が必要になります。胃の回復具合を確かめながら、少しずつ飲食のペースを戻していくことが大切です。
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