更新日:2024年12月28日
第8章 心の回復を待ちつつ自分を育てる:薬の活用法
ここまでをまとめると、不安にとらわれないためには、心的エネルギー水準の観点から、心が弱っているときには不安は見て見ぬふりするほうがいいということになります。
そして、気休め言葉を唱えること、運動や呼吸法、手先を使った作業など不安にフォーカスした意識をそらす方法を提案してきました。
しかし、それらを試しても不安が頭から離れない場合もあるかと思います。そういった場合はどうすればいいのか?
私は、生活に支障が出ているのであれば、精神科なり心療内科へ行って、抗不安薬を処方してもらうのがいいかと思います。
「ここまで話をしておいて、最終的には薬に頼るのか」
と思う方もいるかもしれません。薬に頼りたくないからこそ悪戦苦闘している人も多いかと思います。
ここで、第3章でお話しした風邪で熱が出たときの心的エネルギー水準の話を思い出してください。
解熱剤を服用して熱を下げれば楽にはなる。しかし、それは対処療法で、根本的には安静にして体力の回復を待つということでした。絶対に薬は飲まないと拒絶する人もいるかもしれませんが、高熱はつらいので大概の人は薬を飲むことでしょう。
体と同じように心にも対処療法は当然効果があります。不安がどうしても頭から離れない状態であれば、抗不安薬を服用すれば不安は軽減して楽になるはずです。
そして、ここからが大事なのですが、楽になった状態のときに不安を見て見ぬふりすることを覚えていく必要があります。そうでないと、また不安に襲われたときに薬に頼るしかなくなってしまうからです。症状が出たときに薬を服用する頓服という利用方法はもちろん有効ではあるのですが、依存症になりやすくもあります。薬を上手に活用することが大切です。
不安にとらわれなくなるには心の回復を待つことです。その手段が見て見ぬふり。
そして、その見て見ぬふりができるように自分で自分を育てることが必要になります。
もしかしたら、それは心の成長というものかもしれません。忍耐力や気合で乗り切るという心を強くする方向性の成長ではなく、フォーカスを自在に操れるようになる方向性です。
不安との付き合いは生きている限りなくなることはありません。自分には関係ないと思っていても、どこかに潜んでいてひょいと顔を出すときがあります。また、年代ごとに違ったテーマの不安が襲ってきたりもするでしょう。
このマガジンが少しでも助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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