【FD症例】昇進がストレスだったが自覚していない
50代男性で機能性ディスペプシアで来院したケースです。
食事を食べても、すぐにお腹がもたれてしまい、胃の不快感があります。食べられる量が少なくなって体重が減少しています。
本人的には思い当たるストレス要因はないとのこと。病院でもらった薬も効かず、原因がわからない。これまでとは違ったアプローチということで当整体院へ来院。
施術をしながらの対話の中で「生活の中で大きな変化はありませんでしたか?」と聞いたところ、「そういえば昇進しました」との返答。「あぁ、ストレス要因はそれですね」と話したところ、驚いていました。
本人的には、ストレス要因というと悪い出来事というイメージがあったらしく、昇進のような嬉しい出来事はストレスと結びつかなかったようです。
昇進は大きな変化です。社内での立場が変わり、責任も重くなります。その責任を果たそうとして、今まで以上に頑張ってきたのでしょう。この男性は、人に愚痴を言えないタイプだと言っていたので、そのことも影響していると思います。
往々にして、真面目な人ほど陥りがちなパターンです。大きな賞を取ったりして、それに見合う人間になろうとして自分にプレッシャーをかけすぎてしまうケースも同様です。
この男性は、昇進がプレッシャーになっていたことが腑に落ちたようで、そのストレスが胃の機能に影響した話に納得してくれました。
原因が思い当たれば、気持ち的に楽になるものです。原因がわからないと「ストレスがないのになぜ?」と頭でぐるぐる考えてしまい(反芻思考)、脳がバテていき自律神経も乱れていきます。
ところで、この男性は"ラーメン二郎"が好きで週2ペースで食べていたそうです。
ラーメンの大盛りをかきこむように食べるのが大好き。そして、二郎以外のラーメンは食べないとのこと。
胃の調子が悪くなってからは、ラーメン二郎は封印したそうです。
施術効果とストレス要因が分かって安心したことで、胃の状態は改善していきました。よく噛んで食べることにも慣れてきたようです。
そんな折に、「よく噛んでゆっくり食べれば、そろそろラーメン二郎を食べていいんじゃないですか?」と提案しました。すると、「いや、食べません」との返答。
この男性が説明してくれたのは、かきこむように食べられないのであれば、ラーメン二郎は食べる意味がないとのこと。「かきこんで食べてこそのラーメン二郎」という信念すら感じます。
たぶん、その男性にとっては、かきこんで食べることがストレス発散になっていたと考えられます。咀嚼もそこそこに満腹まで食べることで胃に負担をかけます。その瞬間は夢中です。そして、胃が苦しくなることを脳が痛みと認識し、脳内にエンドルフィンが分泌していると推測されます。
このメカニズムは、激辛が好きな人が、ストレス解消に辛さを求めている場合と同様です。激辛の刺激を脳が痛みと認識し、脳内でエンドルフィンが分泌していると考えられます。エンドルフィンは脳内麻薬でもあるので、辛さで「ヒーヒー」いっているときは、ストレスを忘れられるというメカニズムです。
この男性の場合、自分を痛めつけるタイプのストレス発散でラーメン二郎を食べていたことも自覚したのでしょう。
ラーメン二郎を食べることが悪いわけではありません。しかし、胃が不調になるのであれば、食べ方は気をつけた方がいいでしょう。『よく噛んでゆっくり食べる』『満腹までは食べない』を守りましょう。
「そんな食べ方なら二郎は食べない」という声が聞こえてくるようですが、優先順位を決めるのは本人です。
そして、この男性にはラーメン二郎以外にもストレス発散方法(楽しみ/趣味)があり、その趣味に復帰できたことを喜んでいます。
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