機能性ディスペプシア改善の落とし穴
機能性ディスペプシアは胃の機能が低下した状態のもの。食べると吐き気がしたり、すぐにお腹が張ってしまって量が食べられなくなったりします。
そんなFDでお悩みの方が、当院に来院され、数回の施術で胃の機能が回復する場合があります。初回の施術の帰り道に、お腹が「く~っ」と鳴ってお腹が減ってきたと言う人もいますし、初回の施術中に「今、お腹が動きました」と言ってくる人もいます。
このような方は、FDの原因が"骨格(第一頚椎)の歪み"がメインだと考えられます。
第一頚椎が歪んでいることで、胃を動かす副交感神経の迷走神経の伝達が悪くなったのが胃の機能低下の原因ということです。第一頚椎の歪みがとれれば、神経の伝達がよくなり、胃も働くようになります。
早い段階で胃の機能が回復しても、いいことばかりではありません。
再発してしまうケースが多いのです。
施術で胃の機能が回復したときに、その後の食事の仕方は2つのパターンに分かれるようです。
FDで来院される方は、数ヶ月くらい症状が続いている場合が多いのですが、「また悪くなりたくないから、様子を見ながら少しずつ食べる量を増やしていこう」という『慎重になるタイプ』。
胃が回復したのが嬉しくなって、「よーし、これで気兼ねせずに思う存分食べれるぞ」と以前と同じ量を食べてしまう、もしくは以前よりも食べてしまう『調子に乗るタイプ』。
再発してしまうのは、『調子に乗るタイプ』です。
再発した人が来院したときに、同じ言葉を言うことが多いです。
「胃がよくなったのが嬉しくなって食べ過ぎちゃいました。油断しました」
「もう治ったと思って以前と同じように食べちゃいました。油断しました」
キーワードは"油断しました"です。
なぜ、胃の機能が回復したのに、以前と同じ量を食べると再発してしまうのか。
例え話をします。数ヶ月入院して寝たきり状態だったと想像してみてください。
寝たきりの状態から、すぐに動き出して日常生活に戻ることはできるでしょうか。無理だと思います。筋肉が落ちてしまっているので、まずは歩行のリハビリから始めていくことになるでしょう。以前の状態になるまでにリハビリ期間は必要ということです。
FDでも同じです。仮に、数ヶ月間、神経の伝達が悪いせいで胃が50%しか働いていなかったとします。これが、神経の伝達がよくなったら、すぐに胃を100%働かせることはできるでしょうか。胃の消化能力だったり蠕動運動だったり、今まで細々と働いてきたのをフル稼働させることになります。そうなると、フル稼働に耐えられず、胃の機能はまた低下することになるのです。
胃にも以前の状態になるまでのリハビリ期間が必要ということです。
油断して食べ過ぎてしまった人は、リハビリ期間という概念が抜けてしまったのでしょう。
また、骨格の歪みが戻ってしまうこともあります。
初診の時に「6回は通ってください」と説明しているのですが、これは骨格の歪みを矯正しても、長くは続かずに歪んだ状態に戻ってしまうからです。しかし、回数を重ねるうちに戻りにくくなります。その目安が6回ということ。骨格の歪みを改善するためには、一定の回数と期間が必要ということです。それが神経の伝達にも、胃の機能にも関わってきます。
とはいえ、施術で早い段階から良い反応があれば、施術を続けていけば機能性ディスペプシアは改善していきます。
もちろん、『油断しない』という条件がつきます。焦りは禁物です。